株式会社の定款に事業目的を記載するにあたって、盛り込むべき事項と注意すべきことの代表的なものをご紹介いたします。
- 許認可要件を満たす文言を記載する
許認可が必要な業種では、株式会社の事業目的に許認可を取ろうとする業種の記載があることが条件となっています。
この記載が無い場合には、改めて事業目的の変更を行わなければならず、余計な時間と費用がかかってしまいますので、注意が必要です。 - 近い将来行う予定の事業
株式会社設立後、すぐには行う予定はないが、近い将来行う予定のある事業については、それも事業目的に盛り込んでおく方が便利です。
実際にその事業を始める際に事業目的の変更を行う手間が省けるからです。
しかし、全く関連性がない事業目的をむやみに増やすのは、マイナス面が出てきますので注意してください。
例えば、株式会社の事業目的に①コンピューターソフトウエアの開発、販売②ラーメン店の経営③不動産賃貸業④エステティックサロンの経営⑤陶磁器の製造・販売⑥探偵業⑦貸金業⑧上記に付帯関連する事業 と書いてある会社をどう思われますでしょうか?
「この会社に理念というものはあるのだろうか?」「すぐに他の事業に目移りして、長く続かないのではないか?」というような要らぬ心配をされてしまう可能性があります。
また、融資を受ける際にもこのような事業目的の記載の仕方は悪い印象を与えてしまうことがあります。
さらに、イメージが良くない業種が事業目的に入っていることにより、外注先として登録してもらえなかったり、行政の入札に参加できない、販売代理店の契約を締結してもらえないといったようなことがありますので、注意が必要です。 - 明確性、具体性、営利性、適法性の4つの要件を満たしている必要がある
「営利性」(営利を追求する事業内容であること)、「適法性」(法律や公序良俗に反していないこと)の判断は比較的行いやすいのですが、「明確性」(誰が見ても事業内容が明確であること)、「具体性」(事業内容が具体的で分かり易いこと)については、登記官によって判断が異なることがありますので、登記申請の前に事業目的の表現方法について、各法務局で確認を取ることが望ましいです。
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