株式会社と個人事業の根本的な違いとして、株式会社は債務に対して有限責任ですが、個人事業は無限責任であるということが挙げられます。

  • 株式会社⇒有限責任【出資者(株主)は、自己の出資額についてのみ責任を負う】
  • 個人事業⇒無限責任【全責任を事業主個人が負う】

その他に、いくつか違いがあり、それぞれ下記の表のようにメリット・デメリットがありますが、多くの場合、株式会社化するメリットの方がはるかに大きくなります。

●株式会社にするメリットとデメリットの概要
株式会社化するメリット 株式会社化するデメリット
1.社会的な信用が大幅にアップする 1.法人住民税の負担が増える
2.優秀な人材が確保し易くなる 2.交際費の一部または全額が必要経費にならない
3.金融機関の融資が受け易くなる 3.設立費用がかかる
4.個人の財産を守れる 4.事務負担が増える
5.給与所得控除を利用できる *注 5.社会保険料の負担が増える
6.消費税の納税を最大2期免除される 6.事業資金を個人が自由に使えなくなる
7.決算期を自由に選べる
8.株式移転による相続税対策ができる
9.赤字を出しても7年間利益と相殺できる
10.社会保険に加入できる
11.経営者の退職金を必要経費にできる
12.経営者の生命保険料を必要経費にできる
13.自宅家賃を社宅として必要経費にできる
14.出張手当を必要経費にできる
15.事業を継続し易くなる
16.所得の分散ができる
17.「co.jp」ドメインが取得できるようになる

 

*給与所得控除に関しては、平成18年度の税制改正によって、実質ひとり会社の場合は、節税のメリットが受けられなくなりました。

ただし、所得等の金額の前3年の平均額が年1,600万円以下である場合と、所得等の金額の前3年の平均額が年1,600万円超3,000万円以下で、その平均額に占める業務主宰役員(実質的に経営の中心になっている人)の給与額の割合が50%以下であればメリットを受けられます。

これに該当しない場合の対策として、代表的な方法を2つ挙げておきます。

1.オーナーと同族関係者以外の人に株式の11%以上を持ってもらう。
2.オーナーと同族関係者以外の常勤取締役の人数を50%以上にする。

より詳しくお知りになりたい場合は、税理士のような税の専門家にご相談されるとよいでしょう。

◆株式会社化する2大メリットとして、会社の信用面の向上と節税がありますが、節税という観点からは、目安として、業種にもよりますが、売上高から経費を差し引いた金額が400万円以上あれば、株式会社化を検討する価値は十分あると言えます。

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