株式会社の解散には、最短でも2か月半はかかる事になります。

解散の手続きの説明の前に、3種類の確定申告と、3種類の事業年度の違いをチェックしましょう。

3種類の確定申告

解散確定申告書⇒   解散後2か月以内に行います

清算確定申告書⇒   清算中の各事業年度終了後2か月以内

残余財産確定申告書⇒ 残余財産確定後1か月以内

3種類の事業年度

解散事業年度⇒    事業年度開始の日から解散の日まで

清算事業年度⇒    解散の日の翌日から1年を経過するごと

残余財産確定事業年度⇒残余財産確定日まで

財産があまり多くない中小企業では、1年かからずに残余財産確定となるため、清算事業年度を迎える事がほとんどありません。

多くの場合は3カ月もあれば解散手続きは完了します。 大会社などで清算に何年もかかる場合は年度ごとに(清算が終わるまで毎年)清算確定申告が必要になります。

役所窓口ごとに発生する手続きは以下の様になります。

法務局での手続き

・解散登記及び清算人の登記 解散後登録免許税39,000円
・清算結了の登記      残余財産が確定したら登録免許税2000円(支店がない場合)
cf支店がある場合の登記費用
本店と支店の数ごとに2000円の登録免許税
支店(本店所在地にある支店を除く。)所在地の登記所1庁につき,300円の登記手数料
 税務署への手続き
・解散による「異動届出書」の提出
・3種類の確定申告を必要に応じて行います。
・清算結了による「異動届出書」→清算結了届とも呼ばれています。
国税事務所と地方税事務所両方が必要なので注意添付書類に清算結了登記完了後の履歴事項証明書が必要になります。
  裁判所への手続き
・書類保存者選任申請書(清算人がそのまま保存する場合は不要です)
その他の手続き
・債権者公告(2か月間)
・株主総会の開催 最低2回(解散時・清算時)
招集通知から開催まで2週間必要な点は同じ
その他、許認可がある場合は、廃業届も忘れずに
(建設業許可、旅館業許可、医薬品関連許可・・・)
大まかな流れは以下の様になります。
取締役会で株主総会の開催の決定と召集
召集通知から2週間の間をあけて株主総会の開催(開催日=解散日)
解散決議(特別決議)と清算人の選任
定款変更決議
解散日から2週間以内
解散登記と清算人の登記
廃業届の必要な許認可があれば届出を行います。
所轄税務署に「異動届出書(解散の届出)」を提出します。
解散日から2か月以内
債権届出の公告を行い、知れたる債権者への通知を行います。
税務署への解散確定申告も解散日から2か月以内に行います。
大きな会社で清算に時間がかかる場合など、清算事業年度をまたぐときは清算事業年度の確定申告が必要になります。
 清算事業年度の確定申告は、多くの中小企業では発生することは、殆どありません。
(短期間で残余財産の確定が可能なため)
 残余財産が確定したら、清算結了を行います。
 決算報告書を作成し、決算報告書を承認するため、株主総会の開催します。
召集の通知から開催まで2週間は間を空ける必要があります。
株主総会の開催と決算報告書の承認
株主総会後、2週間以内に清算結了の登記を行います。
残余財産確定後、1カ月以内に残余財産確定申告を行います。
県税事務所と国税事務所の両方に「異動届出書(清算結了届)」を提出します。
清算に関する書類の保存者が清算人以外の方の場合は、裁判所に書類保存者選任申請書を提出します。